使いづらい駐輪場の課題を解決するポイント
- 建材事業部 マーケティングG
- 9月30日
- 読了時間: 8分
マンション、商業施設、公共施設などの「使いやすい駐輪場」は利用者満足度を高めるだけでなく、施設全体の価値にも直結する重要な要素です。ところが、現場では「停めにくい」「導線が悪い」「雨ざらしで不便」といった声が聞かれることも少なくありません。
使いづらい駐輪場は、放置自転車の増加やトラブルの原因となり、結果として管理の手間やコストが増えることにもつながります。逆に、利用者目線で設計された駐輪場は、スムーズな運用と高い利用率を実現し、施設の印象を大きく向上させることができます。
本記事では、駐輪場の管理者のみなさまに向けて、よくある課題とその解決策をわかりやすくご紹介します。今ある駐輪場を「使いやすく、安心して使える場所」へと改善するためのヒントとして、ぜひご活用ください。
なぜ「使いづらい駐輪場」が問題なのか?

日常的に利用される駐輪場は、その施設を利用する人にとっては非常に重要な設備です。使いづらい駐輪場は、利用者にストレスを与えるだけでなく、施設全体の印象を大きく損ねる原因になります。
狭くて停めにくい、導線が悪くて出入りがしづらい、屋根がなく雨ざらしになる――そんな不満が積み重なると、利用者は駐輪場の利用を避けるようになり、結果として放置自転車の増加やトラブルの発生につながります。それらは施設の運営側にとって、金銭的かつ精神的な負担となってしまうこともあります。
駐輪場は単なる「自転車を停める場所」ではなく、利用者の利便性と安全性を支える重要なインフラです。だからこそ、使いやすさを追求することが、施設全体の価値向上につながります。
よくある「使いづらい駐輪場」の課題とは?

駐輪場が使いづらいと感じる理由は、利用者の立場によって変わってきます。ここでは、現場でよく見られる代表的な課題を6つ取り上げ、それぞれの問題点を詳しく解説します。
スペースが狭い・停めにくい
駐輪スペースが十分に確保されていないと、自転車同士が密集し、出し入れの際に他の自転車にぶつかってしまうことがあります。
通勤・通学のピーク時には混雑が激しく、利用者のストレスが増大します。
狭いスペースでは、電動自転車や子乗せ自転車といった大きく重量がある自転車は、特に扱いが難しくなります。
導線が悪く、出入りがしづらい
駐輪場の入り口が分かりづらかったり、通路が狭かったりすると、スムーズな出入りができません。
特に駅前や商業施設など人の流れが多い場所では、導線設計が不十分だと混雑や事故のリスクが高まります。
利用者が「使いにくい」と感じる大きな要因のひとつです。
屋根がない・雨ざらし
屋根のない駐輪場では、雨の日に自転車が濡れてしまい、サドルやハンドルが使いづらくなるだけでなく、錆びや劣化の原因にもなります。
長期的に見れば、自転車の寿命を縮めることにもつながり、利用者にとっては大きな不満ポイントです。
案内表示が不十分
駐輪場の場所や利用方法、料金体系などの案内が分かりづらいと、初めて利用する人にとっては戸惑いの原因になります。
複数のエリアに分かれている駐輪場では、案内表示がないと「どこに停めていいかわからない」といった声が多く聞かれます。
自転車ラックが使いにくい
駐輪場に設置されている自転車ラックが使いにくいと、利用者は停めるのに手間がかかり、結果として駐輪場の利用を避けるようになります。
たとえば、前輪を持ち上げて差し込むタイプのラックは、力の弱い方や電動自転車を使っている方にとっては負担が大きく、使いづらさを感じる原因になります。また、ラックの間隔が狭すぎると隣の自転車と干渉しやすく、出し入れの際に傷がつくこともあります。
こうした物理的な使いにくさは、古い自転車ラックを使っていたり、あるいは劣化して動きが悪くなった、といったことが原因にあります。自転車ラックの使いやすさは駐輪場の満足度を大きく左右する要素になります。
バイクや電動自転車への対応が不十分
近年、電動アシスト自転車や小型バイクの利用者が増えていますが、従来の駐輪場ではそれらに対応していないケースも多く見られます。
充電設備がない、スペースが狭くて停められないなど、現代のニーズに合っていない駐輪場は「使いづらい」と感じられてしまいます。
使いづらい駐輪場の解決策
使いづらい駐輪場の課題は、設計や設備の工夫によって大きく改善することができます。もちろんそれぞれの課題によって効果は異なりますが、ここでは一般的な解決策を紹介します。
設計段階からの導線設計
駐輪場の使いやすさは、設計段階での導線計画に大きく左右されます。
利用者がスムーズに出入りできるよう、入口の位置や通路の幅、動線の流れを考慮した設計が重要です。特に人通りの多い施設では、歩行者との動線が交差しないようにすることで、安全性と利便性を両立できます。
ただし、駐輪場屋根を含めると基礎をやり直さなければならないということで、かなり大きな費用がかかる場合があります。
自転車ラックの種類選定
自転車ラックにはさまざまな種類があり、利用者のニーズや設置スペースに応じて最適なタイプを選ぶことが求められます。
スライド式ラックは出し入れがしやすく、2段式ラックは限られたスペースを有効活用できます。また、電動自転車や子ども乗せ自転車に対応した自転車ラックの配置計画も重要です。
駐輪場屋根の設置
快適で安心して使える駐輪場には、基本的な設備の充実が欠かせません。
駐輪場に屋根を設けることで雨風から自転車を守ることができ、出し入れが非常にやりやすくなるとともに、自転車の劣化もさえられます。
バリアフリー化・ユニバーサルデザイン化
高齢者や車椅子利用者、子ども連れの方など、身体的な条件に関係なく使いやすい設計が求められます。
たとえば、段差のない通路、広めの駐輪スペース、滑りにくい床材の採用などが挙げられます。また、視認性の高い案内表示や、誰でも直感的に使えるラックの設計などもユニバーサルデザインの一環です。
スマートロックやアプリ連携の提案
近年では、スマートロックやアプリを活用した駐輪場の管理が注目されています。
スマートフォンで施錠・解錠ができるシステムや、空き状況をリアルタイムで確認できるアプリ連携により、利便性と管理効率が向上します。
鋼板商事の駐輪場施工事例の紹介
鋼鈑商事では、駐輪場に関する工事を行っています。使いづらい駐輪場の改修や、使いやすくするための配置計画などの事例を紹介します。
二段式ラックからスライド式ラック更新したマンション駐輪場施工事例
本事例のお問い合わせは、台数を減らしても使い勝手をよくしたいとの話からお声がけいただきました。

マンションの駐輪場を拝見いたしましたが、駐輪場全体が二段式ラックとなっていて、電動自転車や三人乗り自転車の住民の方は使いづらいという声があるとのことでした。
はじめは、重い自転車の区画と通常自転車の区画を作りたいという希望でしたが、住民のみなさまへのアンケートから、三人乗り自転車、電動アシスト自転車の購入を検討している方の数が多い、という結果となりました。
そこで、全ての自転車ラックで重量自転車を可能なスライド式ラックの配置計画で提案をさせていただきました。納入前には実際の製品をさわっていただき、納入の運びになりました。

使用される自転車から配置計画で使いやすくした企業駐輪場の施工事例
この事例では、企業様より元々駐車場として使用していた場所を利用した駐輪場を、大きな荷台付の電動アシスト自転車と通常の自転車を収容しつつ、駐輪台数を確保したい、という要望がありました。設置スペースに対して駐輪希望の台数が多いため、設置を工夫しなければ出し入れがしにくい使いづらい駐輪場になる可能性がありました。
まず、大きな荷台付の電動アシスト自転車の実物を拝見しまして、自転車のタイヤ幅・全長・荷台の大きさや高さ等を全て実測しました。その後、電動アシスト自転車が駐輪可能な自転車ラックを選定して、配置の設計作業に入りました。

駐輪スペースが限られていましたので、通常の自転車には設置効率の良いスライド式ラックと、大きな荷台付の電動アシスト自転車は前輪ラック、という2種類の配置を提案いたしました。希望する台数を確保する事が出来、納入の形になりました。
鋼鈑商事は、自転車ラックや駐輪場上屋のメーカーとしての製品納入だけでなく、施工についても行っています。お客様の要望に応じて、必要な製品の選定や配置計画も行うことができます。使いづらい駐輪場でお困り方は、鋼鈑商事の駐輪場改修を是非ご覧ください。
まとめ
使いづらい駐輪場は、利用者にストレスを与えるだけでなく、施設全体の印象を大きく損ねる原因になります。
駐輪場を使いにくくしている原因は、駐輪スペースが狭かったり、自転車ラックが使いにくく出しづらい、雨ざらし、など様々な要因があります。
自転車ラックや駐輪場屋根の改修工事で対応できる場合がありますのでご検討ください。