自転車ラックの耐用年数について
- 建材事業部 マーケティングG
- 8月26日
- 読了時間: 5分
自転車ラックは、都市の利便性や環境配慮の観点からますます重要な設備となっています。
しかし、設置後にどれくらいの期間使えるのか、つまり「耐用年数」については意外と知られていません。
この記事では、自転車ラックの耐用年数の目安や、長持ちさせるためのポイントについて解説するとともに、動きの悪くなってしまった自転車ラックの費用を抑えた補修工事事例を紹介します。
自転車ラックの耐用年数の定義

自転車ラックの耐用年数についての定義は二つありますが、ともに耐用年数は最長で「10年」です。それぞれの根拠についてご説明します。
原価償却資産としての耐用年数(国税庁の耐用年数表)
国税庁が定める「減価償却資産の耐用年数表」において、自転車ラックはこの表の中で「器具及び備品」の区分に該当し、特に「主として金属製のもの」として分類されることが一般的です 。
そこで、自転車ラックの法定耐用年数は「10年」とみなされるため、耐用年数を10年とすることがあります。
自転車ラックを使用するうえであまり意識することはありませんが、会計上の目安ですので更新や修繕の目安となります。
参考:主な減価償却資産の耐用年数表(PDF) - 国税庁
製造部材や構造の耐久性による耐用年数
サイクルラック技術基準は、一般社団法人自転車駐車場工業会が定めている基準です。この基準は、自転車駐車場の「高い安全性、使いやすさ、耐久性」を確保することを目的としています。
サイクルラック技術基準において、耐久性については、サイクルラックが長期間にわたって安全かつ機能的に使用できることを保証するために、いくつかの項目が定められています。
具体的には、以下のような点が耐久性に関連して規定されています。
材質や構造、強度、可動部の摩耗などから、金属製のサイクルラックには屋内設置で「10年」、屋外設置で「5年」の耐用年数が設定されています。ただしあくまで目安であり、製品の設計や使用環境によって実際の寿命は異なるとされています。
補足となりますが、サイクルラック技術基準には、寿命に関する環境要因への配慮することが記載されていて、風雨、紫外線、温度変化などが要因とされています。また、メンテナンスのしやすさや消耗部品の交換に関しても考慮されていますので、自転車ラックの耐用年数を考えるうえで必要な情報となります。
参考:一般社団法人 自転車駐車場工業会
長持ちさせるためのメンテナンスは重要

自転車ラックは、日常的に使用される設備であるため、適切な管理を行うことで耐用年数を延ばし、修理や交換のコストを抑えることができます。以下のようなポイントを意識することで、より長く安全に使用することが可能です。
日常の清掃と定期点検
まず、定期的な点検と清掃が基本です。特に屋外に設置されたラックは、雨風や砂埃によって錆や汚れが蓄積しやすいため、月に一度程度の清掃と、年に一度の点検を推奨します。
可動部のメンテナンス
次に、可動部のメンテナンスも重要です。スライド式や二段式ラックの場合、可動部分にグリスを塗布することで摩耗を防ぎ、スムーズな動作を維持できます。
錆や塗膜の補修
また、塗装の補修も耐久性に直結します。塗装が剥がれた部分は錆の原因となるため、早めに補修することで金属の腐食を防げます。
使い方の周知
さらに、利用者への啓発も効果的です。ラックの正しい使い方を案内するポスターや注意書きを設置することで、乱暴な扱いや誤使用を減らし、設備の損傷を防ぐことができます。
これらの対策を継続的に行うことで、自転車ラックの寿命を延ばし、快適で安全な駐輪環境を維持することができます。
鋼鈑商事の自転車ラックの補修工事事例
メンテナンスを行っていても、耐用年数が過ぎたり環境によって自転車ラックが劣化したり破損してしまいますので、補修工事をどうするかについても考える必要があります。
鋼鈑商事では駐輪場の屋根や自転車ラックの設置や更新といった改修工事を行っていますが、設備の劣化状態や費用の観点から補修や一部の交換のみとする場合もあります。その事例をご紹介します。
事例:スライド式ラックの可動部の部品交換
集合住宅様より駐輪場の自転車ラック改修工事のご相談をいただきました。耐用年数が過ぎた自転車ラックが経年劣化により左右動作が悪くなっているとのことでした。
現場に訪問して自転車ラックを確認しました。自転車ラックはスライド式ラックという自転車を収納する時に横方向にスライドして動くタイプで、可動部のローラーという部品の摩耗が著しいために動きにくくなっていることがわかりました。

予算的にすべてを新しい製品に変えることは難しいとのご要望から、スライド式ラックのローラー部品の交換を行うことで、既存の自転車ラックを生かして費用を抑える提案を行い、修繕作業を行いました。

鋼鈑商事では、自転車ラックメーカーとしての知見や多くの納入実績から、お客様のご予算や要望に合わせた提案を行っています。自転車ラックや駐輪場に関するご不明点やお悩みがあればお気軽にご相談ください。
まとめ
自転車ラックの耐用年数は、税法上や製造部材や構造の耐久性などから10年とされています。10年を過ぎても使用することは可能ですが、使いにくくなったり、安全上問題となる場合があります。
長い期間安全にご利用する上で日々のメンテナンスは非常に重要です。またもし破損や使いにくくなった場合には、自転車ラック工事を相談して解決することも必要です。